ボートレース下関の「スポーツ報知杯 準優進出バトル」は4月20日に4日目が行われ、2レース目で133期の新人・香川陽太選手がデビュー初勝利を達成。
勝利者インタビューでは、『うれしいです。スタートがタッチで残ってよかった。もっとスッキリ勝ちたかった気持ちもあるけど、良かった。来期から4コースまで入ろうと思っていたので、その前に6コースから水神祭をしたいという気持ちがあった。初めて先頭を走って緊張しました。自分がどんなターンをしたかあまり憶えてません。』と興奮気味にメモリアル勝利を振り返りました。
そして『この喜びは母に伝えたい。多分、フライング持ちなのに、タッチ(コンマ00)のスタートを行ったので怒られる(苦笑)怒られると思いますけど…』と、母である香川素子選手の忠告を思い出したようで、笑顔の中にも少しだけ反省の色が浮かんでいたようです。
香川陽太選手と言えば、父はベテランレーサーの飯山晃三選手(2008年に離婚)、母はレジェンドレーサーの香川素子選手、そして兄は125期の香川颯太選手というボートレーサー一家。
デビュー前からその存在は注目されており、初勝利を待ち望む声が多く聞かれていました。
2023年11月5日のびわこ競艇場でのデビューから83走目、5か月で手にした初白星。
これからますます人気が出ること間違いなしの香川陽太選手について、根掘り葉掘りしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
香川陽太選手の初勝利
香川陽太選手のデビュー初勝利は2024年4月20日。
2024年4月17日~23日に下関競艇場で開催された「一般・スポーツ報知杯 準優進出バトル」の4日目、第2レースでのできごとでした。
6号艇・6コースからの出走で、コンマ00のタッチスタートを切った香川陽太選手は、決まり手は恵まれでしたが、格上選手を相手に危なげなく逃げ切って、ついに初勝利を手にしました。
ちなみに、今シリーズの開催前に香川陽太選手がX(旧Twitter)に投稿した内容を見つけましたので、ご紹介します。
実際のレースについて、出走表から順に見ていきましょう。
枠番 | 級別 | 選手名 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|
1 | B1 | 片山 雅雄 | 3.2倍 |
2 | B1 | 川崎 誠志 | 2.2倍 |
3 | B1 | 大原 祥昌 | 4.9倍 |
4 | B1 | 小林 孝弘 | 5.7倍 |
5 | B1 | 田路 朋史 | 8.4倍 |
6 | B2 | 香川 陽太 | 12.0倍 |
このレースで1番人気を集めたのは、地元・山口支部所属の2号艇・川崎誠志選手。
すでに1着を2本あげて、モーターも好調なため連勝への期待が反映して、人気が集中しました。
人気対抗格は、スタートが決まっていないものの、1コースのアドバンテージと2連率61.11のモーターで挑む1号艇・片山雅雄選手。
続く人気3番手は、宮島競艇場のフレッシュルーキーで追加参戦となった3号艇・大原祥昌選手。
そしてダークホースとなり得るとすれば、5号艇・田路朋史選手でしょうか。
全国勝率・当地勝率ともにこのレースイチの実力者、かつ1着を2本と2着と1本あげていることから好調なことがわかります。
優秀な成績と連勝を狙う立場ということで、このレースでも舟券絡みの活躍が期待できる一人です。
これだけ人気が割れて、選手同士の実力も拮抗しているので、正直どの選手が1着でもおかしくない状況と言えます。
次に3連単オッズを人気順に見てみましょう。
買い目(人気順) | オッズ(倍) |
---|---|
2–4–5(1番人気) | 17.3 |
2–3–5(2番人気) | 19.0 |
2–5–4(3番人気) | 21.4 |
3–2–5(4番人気) | 27.0 |
2–4–3(5番人気) | 27.5 |
人気上位はほぼ全て2号艇・川崎誠志選手を軸にしています。
紐は4号艇・小林孝弘選手を有力視する一方で、3号艇・大原祥昌選手と5号艇・田路朋史選手の舟券絡みを期待しているようです。
観客は2号艇・川崎誠志選手が1着、3号艇・大原祥昌選手、4号艇・小林孝弘選手、5号艇・田路朋史選手が舟券に絡む確率が高いと読んでいるようです。
ここは2–4–5(17.3倍)もしくは2–5–4(21.4倍)が本命ですが、結果は…
59番人気の6–1–4で決着。
払戻金は37,730円で、オッズは377.3倍でした。
枠なりのスタートでしたが、5号艇・田路朋史選手がフライング。
代わりにタッチスタートとなった6号艇・香川陽太選手が大外から握って、1号艇・片山雅雄選手をかわすと、先頭に躍り出て6–1–4。
続く1周2マークでは、1号艇・片山選手の外を握って回った6号艇・香川選手が大きく前へ出るかたちとなり、順位変わらず6–1–4。
ホームにかえると、6号艇・香川選手が独走状態となります。
そして2周2マークからゴールまで1号艇・片山選手と4号艇・小林孝弘選手による2着争いが繰り広げられますが、わずかに片山選手が先にゴールしたことで、6–1–4で決着を迎えました。
5号艇・田路朋史選手がフライングという残念な結果が悔やまれますが、スタート直後から果敢に握って攻めた香川陽太選手。
決まり手は恵まれでしたが、格上選手を相手に危なげなく逃げ切って、見事な初勝利を手にしました。
- ルーキー2人が初勝利!水神祭もご覧あれ!│BOATCAST NEWS 2024年4月20日│
SNSの反応
SNS上には「初勝利おめでとう」「水神祭おめでとう」といった温かいメッセージが多数投稿されていました。
お祝いの声を投稿するのが特に早かったのが、母・香川素子選手と兄・香川颯太選手です。
きっとお2人ともレースの様子をリアルタイムで見守っていたことでしょう。
そしてファンからの投稿で意外にも多かったのは、お祝いのメッセージ+母・兄を気遣った投稿でした。
まさに家族一丸となって戦っていることを実感できたレースです。
家族からのお祝いメッセージ
ファンからの祝福の声
香川一家の初優勝について、このように参考となる投稿も…
香川親子のデビュー初勝利に関する投稿もありました。
こうして見ると、母・香川素子選手の初勝利の速さが際立ちますね。
そして今回、香川陽太選手は“恵まれ”での初勝利となりましたが、スタート後のハンドル捌きは明らかにまくり一撃。
母と同じ下関競艇場で初勝利を飾ったこと、母・父・兄が全員“まくり差し”での初勝利だったことがわかる投稿で、大変参考になりました。
香川陽太選手の基本情報
名前 (フリガナ) | 香川 陽太 (カガワ ヒナタ) |
登録番号 | 5323 |
生年月日 | 2003年3月19日 |
身長 | 166cm |
体重 | 58㎏ |
血液型 | B型 |
支部 | 滋賀 |
出身地 | 京都府 |
登録期 | 133期 |
級別 | B2級 |
香川陽太選手は2003年生まれ、滋賀支部所属のB2級レーサーです。
九州地区の理事を務める現役ボートレーサーの飯山晃三選手と、2022年にG1で優勝した香川素子選手の息子です。
お二人は既に離婚済みで、息子の陽太選手の親権は素子選手が持っているようですが、彼が二人の血をひいていることは確かなようです。
まさに「ボートレース界のサラブレッド」というのに相応しい選手ですね。
2023年11月の初ナイター出走時には、母・香川素子選手の“3900 MOTOKO”の文字が入ったレーサーパンツを着用していたみたいだよ。
『』母からお下がりをもらったんです。』と言えるくらい、とても仲がいい親子ってわかるエピソードだね!
- 【シガシブ新人選手紹介】新人さんいらっしゃい【香川陽太選手】
養成所時代に語っていた目標
2022年10月5日に行われた、ボートレーサー養成所の「第133期選手養成訓練入所式」。
その時に香川陽太選手は次のように目標を語っていました。
『兄のデビュー戦を目の前で見て自分も同じステージに立ちたいと思った。運動神経は自分の方があるけど兄は努力家なので…。でも、父のような存在だった兄には絶対負けたくない!母も家にいる時の母親とボートレーサーの香川素子は全然違ってカッコいい。一番憧れる存在です。両親と兄は越えたい。その上でSGレーサーになって最終的には賞金王を取りたい。』
また。修了記念レースに参加した息子の姿を見た香川素子選手は、『40年くらい現役を続ける選手になって欲しい。一緒に走る時は全力で走ります。』とエールを送ったそうです。
香川陽太選手のデビュー戦
香川陽太選手のデビューは2023年11月5日。
2023年11月5日~10日にびわこ競艇場で開催された「一般・第12回近江米カップ」の初日、第1レースでのできごとでした。
6号艇・6コースからの出走で、コンマ16でスタートを切った香川陽太選手は、惜しくも舟券に絡むことはできず、格上のベテラン選手を相手に4着で終わっています。
ちなみにこの初陣での相棒となったモーター25号機は、同年7月に兄である香川颯太選手が初優勝を飾った好機。
香川陽太選手自身も『もらったままで特訓に行きました。直線は周りより良かった。勝率(複勝率40・5%)あるエンジンなので、このまま行きます。縁もありますね。』と語っており、運命を感じるエピソードでした。
香川陽太選手の家族
父・飯山 晃三選手
飯山晃三選手は、九州地区の理事を務めています。
香川素子選手とは同期同士の結婚でしたが、2008年に離婚が成立。
現在は一般女性と再婚していて、香川素子選手との交流はないそうです。
名前 (フリガナ) | 飯山 晃三 (イイヤマ コウゾウ) |
登録番号 | 3906 |
生年月日 | 1977年11月2日 |
身長 | 156cm |
体重 | 61㎏ |
血液型 | O型 |
支部 | 長崎 |
出身地 | 長崎県 |
登録期 | 80期 |
級別 | B1級 |
飯山晃三選手は1977年生まれ、長崎支部所属のB1級レーサーです。
優勝数こそ少ないですが、長年に渡ってA級で活躍し、SG出場経験もあります。
2007年7月には桐生競艇場で開催された「オーシャンカップ競走」でSG初出走した日に初勝利を勝ち取ったことで話題となり、2017年1月には通算1,000勝を達成しました。
同期には、白井英治選手(3897)・平田忠則選手(3898)・森貴洋選手(3904)・重成一人選手(3908)がいます。
母・香川 素子選手
香川素子選手のキャッチフレーズは、「都のはんなりレーサー」「水上の女豹」。
6コースからのレースを得意とし、香川素子選手ご自身も『6コースの3連対率(3着までに入る確率)がハンパないので、6コースからでも100円ぐらい買ってみてください。』とアピールしてたことがあるほど。
名前 (フリガナ) | 香川 素子 (カガワ モトコ) |
登録番号 | 3900 |
生年月日 | 1977年1月8日 |
身長 | 156cm |
体重 | 47㎏ |
血液型 | AB型 |
支部 | 滋賀 |
出身地 | 大阪府 |
登録期 | 80期 |
級別 | A1級 |
香川素子選手は1977年生まれ、滋賀支部所属のA1級レーサーです。
女子戦での活躍はもちろんのこと、男女混合戦でも男性ボートレーサーに引けを取らない強さで安定して舟券に絡み、多彩な決まり手で勝利するテクニックにも定評があります。
2019年には長男・香川颯太選手、2023年11月には次男・香川陽太選手がボートレーサーとしてデビューし、ボートレース界初の「母息子レーサー」としても注目を集めるようになりました。
2020年5月にはSG初出走にして初勝利をおさめ、2021年8月には通算1,000勝を達成しています。
さらに2022年8月に開催された女子レーサーの頂点を決める「レディースチャンピオン」を45歳にして初優勝するなど、人気・実力ともにトップレベルで活躍を続けるボートレーサーです。
8月7日と8月26日はラッキーデー
- 8月7日はデビュー初優勝とG1初優勝の記念日
香川素子選手の初優勝は2005年8月7日の「G3・第21回渦の女王決定戦競走(鳴門)」で、田口節子選手のフライングによる“恵まれ”だったんだよ。
なんとG1初優勝を果たした日は、初優勝から17年後の2022年の8月7日。
「G1・第36回レディースチャンピオン(丸亀)」で、3号艇・4コースからの“恵まれ”だったよ。
同じ日にデビュー初優勝とG1初優勝を飾るなんてすごいよね!
さらにすごいのはG1初優勝の決まり手も、實森美祐選手のフライングによる“恵まれ”だっていうから、やっぱり優勝すべくしての運命だったのかな♪
- 8月26日は通算500勝と通算1,000勝を達成した記念日
香川素子選手の通算500勝達成は2013年8月26日の「一般・デイリースポーツ杯争奪第28回オールニッポン選抜戦(びわこ)」で、1号艇・1コースからの“逃げ”だったよ。
なんと通算1,000勝を達成した日も、通算500勝の達成から8年後の2021年の8月26日。
「一般・ヴィーナスシリーズ マンスリーBOAT RACE杯(芦屋)」で、5号艇・4コースからの“差し”だったよ。
同じ日に通算500勝と通算1,000勝を飾るなんて…本当に凄すぎる…
兄・香川 颯太選手
香川颯太選手は、とても真面目な性格で、レースが終わって自宅に戻ると、ボートレースについて母の香川素子選手とたくさんの話をするそうです。
ボートレースに関することは、母から多大な影響を受けており、「母から聞いたことは全て自分に合うか試してみる」というストイックな一面を持っています。
名前 (フリガナ) | 香川 颯太 (カガワ ソウタ) |
登録番号 | 5115 |
生年月日 | 2000年2月4日 |
身長 | 166cm |
体重 | 53㎏ |
血液型 | A型 |
支部 | 滋賀 |
出身地 | 京都府 |
登録期 | 125期 |
級別 | B1級 |
香川颯太選手は2000年生まれ、滋賀支部所属のB1級レーサーです。
2023年7月28日にボートレースびわこで開催されていた一般戦で、デビュー130走目にして初優勝を果たして、これからの活躍が楽しみな選手の一人といっていいでしょう。
兄弟そろってボートレーサーになったということで、是非とも兄弟対決が見てみたいですね。
同期には、定松勇樹選手(5121)・砂長知輝選手(5112)・山本稔太朗選手(5120)・小原聡将選手(5095)・山田丈選手(5104)がいます。
ちなみに2023年12月には125期で同期の金子七海選手との結婚を発表しています。
- 地元で魅せた3カド戦 香川 颯太 デビュー初優出・初優勝!│BOATCAST NEWS 2023年7月28日│
- じ母子レーサーの大山千広選手とYouTubeで対談し、母である香川素子選手について語っていました。
義姉・金子 七海選手
金子七海選手は、2023年12月に兄・香川颯太選手と結婚しており、香川陽太選手の義姉にあたります。
名前 (フリガナ) | 金子 七海 (カネコ ナナミ) |
登録番号 | 5116 |
生年月日 | 2000年4月21日 |
身長 | 159cm |
体重 | 45㎏ |
血液型 | A型 |
支部 | 福井 |
出身地 | 福井県 |
登録期 | 125期 |
級別 | B2級 |
金子七海選手は2000年生まれ、福井支部所属のB2級レーサーです。
父親が現役ボートレーサーの金子貴志選手ということで2世同士の結婚です。
現在はB1級ですが、2022年までは長いことA2級を維持していましたし、A1級だったこともあります。
金子貴志選手は養成期77期、香川素子選手と飯山晃三選手は80期なので香川家両親よりも先輩選手の娘さんです。
金子 七海選手はまだ優出経験もなく、長期欠場中のため、B2級に降級していますが、年を追うごとに1着数も増えていたので、復帰してからが期待できる女子レーサーです。
同期で有名な女子選手は、美人で有名な野田なづき選手(5118)・「ふなっしー」として人気の冨名腰桃奈選手(5117)・黒明花夢選手(5113)がいます。
- 【蒲郡】父も現役ボートレーサー、蒲郡初出走の金子七海選手にインタビュー!【金子七海・金子貴志】
義姉の父・金子 貴志選手
競輪選手にも同じ名前の選手がいますが、こちらはボートレーサーの金子貴志選手です。
名前 (フリガナ) | 金子 貴志 (カネコ タカシ) |
登録番号 | 3814 |
生年月日 | 1976年3月1日 |
身長 | 161cm |
体重 | 52㎏ |
血液型 | A型 |
支部 | 福井 |
出身地 | 福井県 |
登録期 | 77期 |
級別 | B1級 |
金子貴志選手は1976年生まれ、福井支部所属のB1級レーサーです。
現在はB1級ですが、2022年後期までは長期にわたってA級を維持していたベテランレーサーで、福井支部長を務めています。
2016年7月には通算1,000勝を達成しました。
同期には、佐藤大介選手(3813)・石田章央選手(3811)・一宮稔弘選手(3788)・長野道臣選手(3796)・高橋英之選手(3805)がいます。
まとめ
香川陽太選手、初勝利おめでとうございます。
この初白星を通して、香川一家の結束の固さ・仲の良さを感じることができました。
見守ってくれる先輩レーサーであり、憧れの偉大な母・香川素子選手。
そして切磋琢磨しながらも、少し先を進んでいく若手注目株の香川颯太選手。
家族であり、目標であり、ライバルでもある家族の存在に支えられて、これからますます実力と話題性のある選手へと成長していく未来が目に浮かぶようですね。
香川陽太選手のさらなるご活躍を願って、応援し続けたいと思います。
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