競艇の配信みてたらフライングで返還って実況の人が言ってたんだけど、あれってどういうこと?
フライングという違反行為が発生したから、フライングをした艇の賭け金が返還になるってことだな。
競艇のレースを見ていると「フライングで返還」なんて言葉をたまに聞くかと思います。
映像を見ていると右上で「スタート判定中」といった表示が出ますが、それは選手がフライングしたかもしれないということです。
この記事では競艇のフライングについて詳しく解説します。
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競艇のフライングは致命的!?
「いい感じに予想を組めたぞ!!これで勝った!!」
と思ったらフライングのせいで払戻が少なくなったことはありませんか?
まずはフライングがそもそも何なのか解説します。
フライングとは
競艇のフライングは、スタートタイミングより早くスタートしてしまうことです。
フライングスタート方式というスタート方法を取っている競艇では、規定の時間内に一斉にスタートラインを超えなければなりません。
この決まった時間より早くスタートラインを超えてしまった場合にフライングになります。
フライングの基準
ん~…いまいちイメージがわかない…
もう少し具体的に解説するから安心してくれ。
競艇場にある大時計、競艇場のシンボルって言っても過言じゃないものですね。
競艇のスタートは、この大時計の針が0秒を指したタイミングでスタートラインを通過する必要があります。
0.01秒でも早くスタートラインを超えてしまうとフライングになってしまうぞ。
反対に、大時計の針が0秒を指してから1.00秒以上スタートラインを超えるのが遅かった場合は、
「出遅れ」というスタート事故に該当します。
スタートタイミングをコンマレベルで合わせなきゃいけないのが競艇。
だから競艇選手は毎日毎日スタートの練習をして、スタート事故を起こさないように努力しています。
まさに時間との闘いです。
出走表の「F」という記載
フライングをした場合、出走表には「F1」の記載がされます。
Fの後の数字はフライングをした回数を表している。
フライングを1回したなら「F1」、フライングを1回もしていない選手は「F0」と記載されるんだ。
予想をする時にはフライングがあったかどうかを必ず出走表で確認するようにしましょう。
▼出走表の見方をマスターして収支を安定させたい方はこちら!
出走表の「L」という記載
出遅れの場合は「L」と記載されます。
Lの後の数字は、フライングと同様に、出遅れが発生した件数ということですね。
▼出遅れの詳しい情報はこちら!
「F」や「L」の記載がある選手はレースに慎重になる
フライングや出遅れがある選手はかなりレースに慎重になります。
それもそのはず。フライングや出遅れのスタート事故を起こしてしまうと、一定期間レースに斡旋されなくなるんです。
斡旋されなくなると、成績はもちろん賞金獲得額にも影響します。
斡旋停止ということはつまり競艇選手は無職になるということだな。
慎重になるとスタートが消極的になる選手が多いのです。
そのため、予想するときはスタート事故の有無をしっかりチェックすることが必要です。
ちなみに、斡旋停止になった選手はそのあいだどうしているのかということですが、
実際に斡旋停止になった平高奈菜選手はアルバイト等をしていたみたいです。
▼斡旋停止中の平高奈菜選手の様子はこちら!
5月1日と11月1日にフライングはリセットされる
フライングは5月1日と11月1日の前期後期でリセットされます。
級別の審査期間が前期で5月1日から10月31日、後期が11月1日から4月30日までになっているからですね。
フライングは回数を重ねるごとに罰則が重くなります。
フライングがリセットされた前期の最初と後期の最初は、スタートを大胆に攻めに行く選手が増えるぞ。
【2022年最新】競艇のフライングによるペナルティが変更に
フライングの罰則の最新の動向についても解説しておきましょう。
2022年5月1日よりペナルティの内容が変更されたんだ。
以下、ボートレース公式サイトからの引用です。
一般財団法人日本モーターボート競走会は、集団スタート事故防止策の一環として、非常識なフライングを起こした選手に対する処置について、下記の通り変更することを発表しました。
◎非常識なフライングを起こした選手に対する処置
≪令和4年4月30日までの非常識なフライング≫
⇒原則、即日帰郷の処分とする。≪令和4年5月1日以降の非常識なフライング≫
⇒原則、即日帰郷の処分を廃止し、従前のスタート事故による出場辞退期間に、5日間の出場辞退日数を加算する。
非常識なフライングは本来は即日帰郷の処分でしたが、今回の改定で「5日間のフライング休み加算」に変更されました。
「非常識なフライング」に関する変更前と後の日数加算は以下の通りです。
変更前 | 変更後 |
即日帰郷 | 1回目:35日 |
即日帰郷 | 2回目:65日 |
即日帰郷 | 3回目:95日 |
即日帰郷 | 4回目:185日 |
フライングで売上を減らさないためにも、日数を加算することで選手にフライングさせないようにする防止策ですね。
上にまとめたのはあくまで「非常識なフライング」の場合の日数加算の話だ。
通常のフライングでのフライング休みの日数は後述するぞ。
再訓練の条件も変更か
非常識なフライングや優勝戦でのフライング、フライング後の90走以内に再フライングすると再訓練を受けなければなりません。
その施設は「碧南訓練所」と呼ばれていて、2泊3日の間に厳しい研修を受けることになります。
しかも、最終日にはスタートを5本連続で成功させることができなければ帰宅することができないという軍隊レベルの鬼畜度だぞ。
従来のルールだと「非常識なフライング」を1回でもするだけで速攻碧南行きでしたが、上記の改定の影響で非常識なフライングはなくなるとのこと。
非常識なフライングによる訓練所行きはなくなりましたが、斡旋停止期間が5日間延長になるという新たなリスクが発生したという見方もできます。
ちなみに、「碧南訓練所」の様子はこんな感じ。
水面の様子だけではなく、寝泊まりする部屋やお風呂等の中々見られない施設内部までかなり詳細に紹介してくれています。
厳しい訓練所であることは間違いないが、快適そうだな。
競艇でフライングや出遅れをした場合の投票者への影響
フライングや出遅れは選手たちだけの問題ではありません。
舟券を買う競艇ユーザーにも影響があります。
フライングが起きた場合、競艇ユーザーには以下のような影響があります。
- フライングや出遅れがあった艇の舟券が全額返金になる
- オッズの再計算
- レースが不成立になることもある
以上のような影響があるのですが、要は競艇場の売上がかなり落ちることになるんです。
だからフライングの罰則は重たく設定されてるんだね…
ということでスタートの違反があった場合のユーザーへの影響について解説します。
全額返金になる
先ほども軽く解説しましたが、フライングや出遅れをした艇の舟券は全額返金になるよ!
例を挙げると、1号艇がもしフライングしてしまった場合は「単勝」・「2連単」・「3連単」などで1号艇が関わった舟券は全額返金になるということです。
でも、フライングしたかどうかなんて素人目じゃわかんないよね
?
運営側がチェックしていて1周目の1マークあたりで告知があるぞ。
「外れたわこんな舟券捨てたるわ」なんて思って舟券を捨てる…なんてことをしないように注意してください。
返金対象になっているときは、自動発払機で返金処理をしてお金を受け取ることができます。
オッズの再計算
競艇のオッズは舟券ごとの売上から計算されています。
そのため、艇がフライングした場合は舟券の売上が変わるためフライングした艇以外のオッズも変わってしまうのです。
「やったー!!万舟だー!」って思っても、レースの後にオッズが変わって万舟じゃなくなってしまうことも…。
まぁしかし、フライングが無かったらその買い目が的中することもなかっただろう。だから気にせずに次のレースに臨むべきだな。
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レースが不成立になることも
フライングした艇があまりにも多すぎると、レースが不成立になることもあります。
例えば、三連複の場合ですがフライングした艇が3艇以上あると、残った選手が3着以内に入るから絶対的中舟券が的中することになります。
そのため、三連複だと3艇以上がフライングした場合はレースが不成立になります。
ちなみにフライングした艇が5艇以上の時は、全ての舟券が不成立。
5艇以上のフライングは本当に稀なんだが…調べてみたら2022年にも起こっていたぞ…
2022年1月22日一般「丸亀市議会議長杯」の5Rで起きていました。
全ての舟券が不成立で返還になっていることがお分かりいただけると思います。
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競艇でフライングや出遅れをした場合の選手への影響
競艇ユーザーが受ける影響は舟券が返還されたり、オッズが変わったりレースが成立しなかったりですが、
選手にとってスタート事故はもっと大きな影響があります。
割とシャレにならないことばっかりだから、それぞれ解説していくぞ。
フライング休み
選手にとってレースに出ることは、お金を稼ぐという一面があります。
フライングをしてしまうと、ペナルティとしてレースを休まないといけません。
いわゆる「フライング休み」ですが、フライングした回数によってその日数が加算されていく仕組みです。
そのため、フライングしすぎると長期でレースに出れなくなります。
フライング休みの日数はこの表を参考にしてください。
回数 | 加算日数 | 休み日数 |
1回 | 30日 | 30日間 |
2回 | 60日 | 90日間(30+60) |
3回 | 90日 | 180日間(30+60+90) |
4回 | 180日 | 360日(30+60+90+180) |
ペナルティを食らうとお金が稼げないのもそうなのですが、
選手の成績にも関わってくるため選手たちはペナルティをしないように日々努力しています。
もちろんコンディションや些細なミスでフライングしてしまうときもあるります。
フライングをした選手を責め立てたりするのは言語道断だぞ。
即日帰郷
即日帰郷はレース期間中に「ペナルティとして帰郷ね」って命令されるのが即日帰郷だよ!
即日帰郷が言い渡されると、選手は自分の荷物をまとめてその日のうちに地元に帰ることになります。
フライングの回数は2回で即日帰郷になって、あまりにも酷すぎる「非常識なフライング」では1発でアウト。
以前は非常識なフライングは一発で即日帰郷だったが、2022年5月1日のルール改定より、その限りではなくなったぞ。
かなりシビアな世界だということがわかりますね。
スタートの再訓練
1回目の出遅れやフライングをしてから90走以内にまたスタート事故を起こすと、
日本モーターボートの訓練所で再訓練することが義務付けられています。
スタート事故は競艇全体の売上減少に直結します。
開催側としてもスタート事故を起こしてほしくありません。
そのため、再訓練をすることで事故を未然に防ごうとするのです。
このような点も相まって、選手は1回でもスタート事故を起こすと、スタートにかなり慎重になるんだな。
事故点が加算される
事故点とは、スタート事故や選手責任による失格とか欠場の時に付けられる点数のこと。
事故にもいろいろあり、それぞれ点数が違います。
例えば、転覆や落水とか沈没やエンストは5点減点されて、待機行動違反や不良航法は7点も減点。
点数が加算されて、事故点が多くなると自分の級別(クラス)が下がったりしてグレードが高いレースに出られなくなったりするリスクがあるのです。
選手としても、キャリアのために事故点は増やしたくないって考えてるからこそ毎日の厳しいトレーニングをこなしていると考えられますね。
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賞典レースに参加できなくなる
開催節一発目にスタート事故を起こすと、その節の優勝戦やドリーム戦などの賞典レースに参加できなくなります。
賞金も高くキャリアとしても高く評価される賞典レースに出れなくなると、選手にとってはかなり痛手です。
特定のレースにおいて選手除外になる
SGやG1などの大きな大会の優勝戦や準優勝戦でスタート事故を起こすと、一般戦のペナルティよりもかなりキツいペナルティが課せられます。
その内容はG1やG2、プレミアムG1などから最大で182日間除外されるということ。
SG競走だと斡旋が確定していたとしても、即出場が取り消しに。
複数回に及んでスタート事故を起こしてしまうと、除外期間が更に加算されます。
大きな大会で大きなお金が動くからこそ、ペナルティがかなり重たくされているということですね。
▼競艇におけるレースの種類が知りたい方はこちら!
4回以上のフライングは引退勧告の恐れも
1節で4回以上フライングすると「選手出場あっせん保留基準第8号」と「競走の公正確保及び競技水準の向上化に関する規定」の2つの規定から、引退勧告がなされます。
4回以上もフライングすると競艇場の売上にもかなり影響が出る可能性が高く、
そもそも選手としての是非が問われるます。
そういう意味でいうと、こういった引退勧告は妥当かもしれないな。
フライングをした選手は怒られる?反省文を提出?
フライングをした選手に様々な罰則があることは以上の通りですが、選手だけではなく多方面に影響があります。
そこで噂されているのが「フライングをすると選手は施行者に怒られる」といったことです。
そのあたりの実情を山口剛選手がInstagramで詳細に語ってくれています。
山口選手は2022年12月に行われた大村競艇場でのグランプリトライアル2nd1回戦11レースでコンマ01のフライング。
発売額5億8897万2900円のうち、約95%にあたる5億6122万8500円が返還。
スタート事故罰則規定により、今後のSG4節が選出除外となりました。
以下、フライングを起こした後の選手のリアルな実情を引用します。
フライングを起こしたらまず同レースの他の選手に謝罪しに行きその後競技本部に行き謝罪し、そこで反省文を書き、書き終わると競技委員長・競走会役員の方達数人と反省会を開きフライングについてとこれからの対策(私自身の事だけでなくどうすれば大村でフライングを減らせるか等)について議論します。
引用元:山口剛選手Instagram
施行者から怒られるといったことは書かれていませんが、反省文を提出し、再発防止策を話し合うことは確かなようです。
山口選手が提出した直筆の反省文が掲載されていたので、そちらも引用いたします。
応援してくれているファンの方々・舟券を購入してくれていたファンの方々・そして初のGP開催の大村で開催の為に沢山の努力をしてくれていた関係者の方達に申し訳ない気持ちで心が痛いです。本当に申し訳ありませんでした。
引用元:山口剛選手Instagram
フライングを起こしてしまった一番の原因は最終45mを確認したときに保険のレバーアジャストを出来なかった私の気持ちの弱さだと思います。私の感では45mで0台であるがスタートは入っている。伏せこまず最後まで時計を見ていれば大丈夫という判断でした。
振り返ると小さな変化を少しずつ見落としていたのかもしれない。もっと神経をとがらせていなければならなかったと反省しています。スタート展示よりも気温低下で6℃から5℃になっていた事。向風気味だった風も本番レースでは弱くなっていた事。進入も本番では緩くなり起こし位置が浅くなっていた事。自分自身ではわかっているつもりで対応したつもりでしたが結果が全てでフライングになってしまったのは本当に私自身の冷静さが足りていなかった事。もっと起こしも遅らせて対応にスタートを入れるんだという強い気持ち そういった細部にこだわるいろいろな所が足りていなかった。そのせいで本当に沢山の方々に迷惑をかけてしまった。そういう申し訳ない気持しか本当になく、どうお詫びをしていいものかわかりません。
このフライングで沢山の方々の期待を裏切り、迷惑をかけてしまい本当に申し訳ありませんでした。
山口選手の誠実な人柄があらわれた文章ですね。
それと同時に競艇におけるフライングの責任の重さが伝わってきます。
フライングを起こした直後の選手の行動についてまとめると、
- まずは同レースの他の選手に謝罪
- その後、競技本部に行き謝罪
- 競技本部で反省文を書き提出
- 施行者側と今後の対策について反省会
以上のような形になっているようです。
【ヤバすぎ】前代未聞のフライング集
フライングは普段のレースでも起こることなのですが、極まれに中々見られないレベルのフライングが起こることがあります。
前代未聞レベルのフライングの動画を2つご紹介します。
全艇フライング&転覆
まずは2022年初めての全艇フライング発生時の様子、若松競艇場でのレースです。
これの何がヤバいって、風もないしコンディション的にはかなり良いはずなんだけど全艇フライング。
更には2号艇が第2マークで転覆するという悪夢みたいな出来事の連続だったんだ…。
返還になったため賭けていたユーザー側に痛みはありませんが、選手と開催側にとってはかなり痛手となりました。
▼若松競艇場で勝ちたい方はこちら!
全力フライングから全力帰還
お次は住之江競艇場でのレース。
スタートで全艇フライングになりましたが、ピットに帰るまで全力で走っています。
全員がかなり攻めた走りをした結果だな…
▼住之江競艇場で勝ちたい方はこち!
競艇のフライングの罰則が厳しい理由
競艇が順位を争う競技である以上、やっぱり選手も1着を取りたい。
だからスタートは限りなくギリギリのタイムで攻めていきたいところですが、選手も人間ですのでミスもしてしまいます。
そういうミスから生じるスタート事故は、開催側にも投票者にも影響を与えるからこそ、
ペナルティを重くすることでスタート事故が起きないように対策をしています。
もしペナルティが無かったり軽かったりしたら、そりゃあガンガンフライングしていくだろうし、積極的に前に出ようとするからこそフライングが多発してしまうよな。
だからこそ、重いペナルティで競技そのものに公平性を持たせているのです。
ペナルティは厳しいけど、ペナルティが無くて好き勝手やっちゃうと元も子もありません。
スタート事故として扱われない事例もある!
フライングなどのスタート事故について解説してきたけど、実はスタート事故として扱われない事例もあります。
最後にその事例について解説します。
強風や水面状況などの天候の影響
割とレアな状況ですが、強風や荒波、他の選手との接触で出遅れになったしまった場合は選手責任外と判断されてペナルティの対象になりません。
ただし、フライングについては選手責任外はありません。
モーターの不調やレーサーの怪我なども対象外
モーターが不調だったり、選手の怪我や大時計の故障などによるスタート事故もペナルティ外。
大時計が途中で壊れたりした場合なんかは、スタート事故は免除になるぞ。
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