波乱尽くめの「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」でまたもや恐れていた事態が発生!優勝は全速のスタートを踏み込んで主導権を握った藤原菜希選手!!2022年11月の三国ヴィーナス戦以来の1年5か月ぶり、通算7回目の優勝

2024年4月18日、福岡競艇場で開催された「一般・ヴィーナスシリーズ第1戦 マクール杯」が最終日を迎え、全速スタートから主導権を握った藤原菜希選手(東京支部・107期)が優勝。
当地連覇を有力視されていいた西橋奈未選手(福井支部・119期)は5日目にフライングにより失格となりました。

2024年4月18日、福岡競艇場では「一般・ヴィーナスシリーズ第1戦 マクール杯」最終日、優勝決定戦が開催されました。
結果は、東京支部所属の藤原菜希選手(4627)が好スタートで逃げ切って、当地初優出にして初制覇を飾りました

大荒れとなった2024年の「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」。
特に反響の大きかった4日目のアクシデント5日目の大波乱、そして優勝決定戦の結果までご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

レース4日目のアクシデント

予想だにしない展開で大荒れとなった「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」。
シリーズ4日目には今まで見たこともないような、大番狂わせのアクシデントが発生しました。

予選トップ通過をかけた大事な一戦で、優勝最有力候補とされていた西橋奈未選手が“浮遊物”によって大失速
このアクシデントの影響により6着ゴールとなったことで、西橋奈未選手は予選を6位で通過しています。

予選ラストの12R。

勝てば予選トップ通過が決まる西橋奈未が先マイ。バック中間地点で2番手以下に大きなリードを広げたが、1周2マークで浮遊物を巻き、失速。まさかの6着ゴールとなった。

「ペラを見たら(浮遊物を)巻いていました。不運としか言いようがないですね」とガックリ。

「出足、行き足の感じはすごく良かったし、伸びも悪くなかった。いい仕上がりだったんですけどね。気持ちを切り替えます」と必死に前を向いた。

【福岡ボート ヴィーナスシリーズ第1戦マクール杯】西橋奈未 先頭走るもペラが浮遊物巻き失速して6着 (msn.com)
  • 悲劇】まさかの大失速…原因はアレだった…西橋奈未選手-福岡ヴィーナスシリーズ【2024.4.16】
出典:競のWHiTE動画ch

レース5日目・大波乱の準優勝戦

シリーズ4日目に続き、5日目の準優勝戦でもさらに不運な展開が待っていました。

この日の主役も、前日に不運のアクシデントに見舞われた西橋奈未選手。
そして6コースから3コースまで動いて臨んだ、6号艇の小芦るり華選手でしょう。

西橋奈未選手にとっては、準優勝戦3レース目で白星をあげて、前日の悪い流れを断ち切りたいところでしたが、“予想だにしない結末”を迎えることとなります。

その結末というのが…非常識なフライングです。
西橋奈未選手がコンマ07、小芦るり華選手がコンマ08のスリットオーバー。

勝てば予選トップ通過だった4日目の12レースはインから押し切りながら、アクシデントにより6着に終わり、2号艇で挑んだ5日目の準優勝戦のラストレースは2コースからコンマ07のフライングに散りました。

このフライングにより、西橋奈未選手は5月26日の「SG・オールスター(多摩川競艇場)」の終了後に35日間、フライングを2回喫している小芦るり華選手は5月29日の「一般・(下関競艇場)」後に65日のフライング休みに入ることが決定しているため、2人ともフライング休み明けの3か月間は女子戦に出場することはできません

そのため、「女子選手のみで開催されるG3競走及び一般競走の優勝戦または準優勝戦において、選手責任事由によるスタート事故を起こした者は、日本モーターボート選手会が制定する競走の出場辞退に関する規定で定められたあっせん辞退期間終了後、優勝戦にあっては当該事故1回につき6か月間、準優勝戦にあっては当該事故1回につき3か月間、当該競走への出場資格を喪失する」という規定により、8月に福岡競艇場で開催される「PG1・レディースチャンピオン」は選出除外という残念な結果に。

これらの事情により、西橋奈未選手にとってはまさに“泣きっ面に蜂”とも言うべきレースとなってしまいました。

<福岡ボート:ヴィーナスシリーズ>◇5日目◇17日
福岡の準優12Rで2艇が非常識Fに散った。 西橋奈未(27=福井)がコンマ07、小芦るり華(26=佐賀)がコンマ08のスリットオーバーとなった。西橋は5月26日のSGオールスター(多摩川)終了後に35日間、F2の小芦は5月29日の下関一般戦後に65日のF休みに入る。2人ともF休み明けの3カ月間、女子戦に出場できない。そのため、8月のレディースチャンピオン(プレミアムG1・福岡)は選出除外となる。

【ボートレース】西橋奈未が、小芦るり華が…Fでレディースチャンピオン選出除外/福岡(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース

SNSの反応

人気女子レーサー2人の非常識なフライングという衝撃の結果を受けて、SNSにはどのような声があがったのでしょうか?
その一部を抜粋してご紹介します。

優勝候補だった西橋奈未選手と小芦るり華選手のフライングを受けて、優勝決定戦への脱落を惜しむ声が聞かれました。

優勝決定戦

4日目と5日目に波乱の展開があったヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」。
このシリーズで“不運”に見舞われたのを西橋奈未選手とするのであれば、対照的に“幸運”に恵まれたのは渡邉優美選手でしょう。

渡邉優美選手はもちろん実力ある選手ですが、今大会で引き当てたモーターの気力は“イマイチ”で、中堅の域を出ない状況でした。
それが優勝決定戦での絶好枠を手にしたことで、優勝への道筋が見えたといっても過言ではありません。

しかしその道筋を阻む選手がいるとすれば、優出一番乗りを決めた藤原菜希選手。
藤原菜希選手のモーターは「三拍子揃った好足」で、しかも通算6優勝のうち3回が2コース戦で勝ち取っているだけに、渡邉優美選手にとっては驚異の存在と言えるでしょう。

ボートレース福岡の「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」は17日に5日目を迎え、終盤3カードで準優勝戦が行われた。10R藤原菜希、11R渡邉優美と順当に1号艇が勝ち上がる中、4日目に続いて12Rで落とし穴が待っていた。 2号艇の西橋奈未、6号艇で3コースまで動いた小芦るり華がともに非常識なフライング。1号艇の平山智加は展開が悪くなり、2着での勝ち上がり。この結果、11Rを制した渡邉に優勝戦1枠が巡ってきた。予選ラストに続くミラクルに渡邉は「ついてますね」と笑顔。機力的には中堅の域を出ていないが、「あとは気持ちと根性。この足で優勝できれば自信になりますからね。福岡では負けたくないし、地元3人から優勝者を出したい」と表情を引き締めた。とはいえ、優勝戦メンバーで唯一のフライング持ち。楽に戦えるカードではない。メイチの全速スタートを行ってなんとか先に回れるかどうかという仕上がりだけに、波乱の要素も十分にあるだろう。

【ボートレース福岡】平山智加が2着での勝ち上がりとなり、優勝戦1枠は渡邉優美が獲得/ヴィーナスシリーズ(マクール) – Yahoo!ニュース

ボートレース福岡の「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」は18日に優勝戦を迎える。 優出一番乗りを決めたのは藤原菜希だった。準優10Rは1号艇で登場すると、コンマ11のトップスタートを決めて先マイ。3コースからツケマイを放った米丸乃絵の攻めを封じて先頭でゴールを駆け抜けた。開口一番「いいですね」と仕上がりの良さをアピール。「伸びがいい人にも伸びられないし、今なら全体的に良くて出足にも伸びにも二重丸がつけられる。スタートも行き足がいいし、起こしがしっかりついてくれば大丈夫です」と三拍子揃った好足になっている。これで丸亀、多摩川に続いて3節連続優出となった。「エンジンがいいのもあるけど、最近はどこを走ってもそれなりに仕上がってくれてますね。最後もいいレースができるように頑張ります」と声を弾ませた。 優勝戦は2号艇。直近の優勝は22年11月三国と遠ざかっているが、通算6Vのうち3Vが2コース戦。絶好枠の渡邉優美にとっては脅威だろう。

【ボートレース福岡】丸亀、多摩川に続いて3節連続優出となった藤原菜希/ヴィーナスシリーズ(マクール) – Yahoo!ニュース

では実際のレース結果はどうなったのでしょうか?
渡邉優美選手と藤原菜希選手の一騎打ちの結果に注目しながら見てみましょう。

枠番級別選手名単勝オッズ
1A1渡邉  優美1.5倍
2A1藤原  菜希6.2倍
3B2中川  りな4.3倍
4A1平山  智加5.9倍
5A1三浦  永理15.0倍
6B1米丸  乃絵12.7倍

優勝決定戦とあって、1・2・4・5コースにA1級選手というハイレベルなレースとなりました。

福岡競艇場において、1コースが1着になる確率は約55.5%と全国平均54.3%よりやや高めの数値です。
(集計期間:2023年4月1日~2024年3月31日現在)
そんな注目の1号艇は、地元・福岡支部所属でイン1着率69.5%を掲げるA1級の渡辺優美選手。
当地勝率6.41を掲げ、ここまでオール3連対であることから人気の中心です。

そして人気対抗格は3号艇・中川りな選手。
こちらも当地支部の所属で、現在は産休・育休取得の影響でB2級に降級しているものの、実際はA級レベルの実力を保持者であることから、期待が高まります。

続く人気3番手は、優勝候補筆頭と目されている平山智加選手。
こちらもオール3連対で優勝決定戦に駒を進めており、当地水面との相性も抜群に良い注目選手です。

人気4番手ながら、2コースから優勝を狙っているのが藤原菜希選手でしょう。
モーター2連単46.81はこのレースでも2番目の機力を有しており、さらにここまで3連勝していることから好調を維持していることも明白。
このレースでも舟券に絡むことは必至だと思われます。

ほかにダークホース、大番狂わせがあるとすれば、6号艇・米丸乃絵選手でしょうか。
B1級の若手でありながら、このシリーズでの戦績は目を見張るものがあり、活躍を応援したい一人です。

これだけ人気が割れて、選手同士の実力も拮抗しているので、正直どの選手が優勝してもおかしくない状況と言えます。

次に3連単オッズを人気順に見てみましょう。

買い目(人気順)オッズ(倍)
124(1番人気)6.9
123(2番人気)8.3
142(3番人気)12.7
134(4番人気)13.1
143(5番人気)19.1

人気上位は全て1号艇・渡邉優美選手を軸にしています
紐は2号艇・藤原菜希選手、4号艇・平山智加選手、トリは3号艇・中川りな選手が人気です。
観客は1号艇・渡邉優美選手が1着を鉄板、4号艇・平山智加選手が舟券に絡む確率が高いと読んでいるようです。
ここは124(6.9倍)もしくは142(12.7倍)が本命ですが、結果は…

48番人気の246で決着
払戻金は20,080円で、オッズは200.8倍でした。

スタートは枠なりの進入で、1号艇・渡邉優美選手が1周1マークへ逃げようとするるも、トップスタートを決めた2号艇・藤原菜希選手が直まくり。
1周1マークでは外から2号艇・藤原選手が前へ出て、失速した1号艇・渡邉選手を3号艇・中川りさ選手と4号艇・平山智加選手が差して234
続くバックで内から4号艇・平山選手、3号艇・中川選手、1号艇・渡邉選手が横一線の並走となります。
さらに後方から6号艇・米丸乃絵選手が猛烈な伸びを見せて、1周2マークへ突入。

トップ旋回で回った2号艇・藤原選手に続いて4号艇・平山選手がターン。
その内を突いて、3号艇・中川選手と6号艇・米丸選手が折り返して、246の順に入れ替わります。

2周1マークで内を先回る1号艇・渡邉選手の外を握って6号艇・米丸選手が前へ出て、順位は変わらず246
ここから最終2マークまで2艇が僅差で3番手を争いますが、6号艇・米丸選手の伸び足が勝って、そのまま246で決着しました。

ボートレース福岡の「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」は18日に6日間シリーズの幕を下ろした。 【優勝戦結果】藤原菜希が1年5か月ぶりの優勝! 「福岡の優勝戦1号艇はツキだけでは勝てない」と言われている。数字ほどインが強い水面ではないため、機力好調なメンバーが揃う優勝戦はごまかしがきかない。今回の優勝戦1号艇だった渡邉優美も、そんな格言に飲み込まれてしまった。思えば少し運が向きすぎていたかもしれない。4日目12Rで勝てば予選トップ通過だった西橋奈未が、先頭を走りながら浮遊物をまいて失速。渡邉はそのレースで勝ったことで予選2位通過となり、準優1号艇を獲得した。 迎えた準優も12Rでフライング事故が発生。そのレースで1号艇だった平山智加が2着での勝ち上がりとなったため、手に入った優勝戦1号艇だった。「この足で勝てれば自信になりますね」という優出コメントが機力の不安を表していた。 一方で、藤原菜希は淡々と自分の仕事に徹して牙を研ぎ澄ませていた。「バランスが取れて、出足にも伸びにも◎がつけられる」と話すほど好仕上がり。優勝戦ではコンマ11の全速のスタートを踏み込んで主導権を握り、豪快なまくりで最終決戦を制した。これが1年5か月ぶりの優勝。7回の優勝のうち、これが4回目の2コース戦となった。覚えておいて損はないデータだろう。 8月には当地でPGI「レディースチャンピオン」が開催される。エンジンを上位級に仕上げたことは大きな収穫。夏の大一番に向けて弾みをつけるシリーズになった。

【ボートレース福岡】渡邉優美をパワーでねじ伏せた藤原菜希が福岡初優勝/ヴィーナスシリーズ(マクール) – Yahoo!ニュース

SNSの反応

大波乱の予選・準優勝決定戦で話題となった「ヴィーナスシリーズ第1戦・マクール杯」。
藤原菜希選手が当地初優出にして初優勝という結果で幕を閉じましたが、SNSではどのような投稿があったのでしょう。
その一部をご紹介します。

そのほかの反応

藤原菜希選手の優勝を祝福する声が多く聞かれたと同時に、このレースで予想を上回る活躍を見せてくれた米丸乃絵選手に対する賞賛のメッセージも多数投稿されていました。

藤原菜希選手の優勝者コメント

藤原菜希選手、優勝おめでとうございます。
優勝決定戦では全速スタートから踏み込んで主導権を握り、豪快なまくりでつかんだ勝利でしたね。
初制覇への危なげない走り、本当にかっこよかったです。

それでは、最後に藤原菜希選手の喜びの声をご紹介します。

出典:マクール

「福岡初優勝は素直に嬉しいです。中川りなさんが伸びていたけど、全速でスタートを行くことだけを考えていました。エンジンの仕上がりも良かったので、それでまくられたら仕方ないなと。 スタートは勘通りです。(角度的に)きついかなと思ったけど、引けなかった。結果的に行ききって良かったですね。差されているかなと思ったけど、舟が返ってきてくれたし、エンジンのおかげですね。 前節の多摩川は1号艇で負けてしまって、2号艇じゃないと優勝できないのかな(笑)。来節からも1走1走頑張ります」。

【ボートレース福岡】渡邉優美をパワーでねじ伏せた藤原菜希が福岡初優勝/ヴィーナスシリーズ(マクール) – Yahoo!ニュース

藤原菜希選手の基本情報

最後に藤原菜希選手の基本情報を少しだけご紹介します。

名前
(フリガナ)
藤原 菜希
(フジワラ ナツキ)
登録番号4627
生年月日1986年4月20日
身長156cm
体重50㎏
血液型A型
支部東京
出身地大阪府
登録期107期
級別A1級

藤原菜希選手は1986年生まれ、東京支部所属のA1級レーサーです。

通算7回の優勝歴のうち、直近の4回が2コース戦ということで「2コースの巧者」として注目されています。

さらに“元空手世界チャンピオン”という異色の経歴を持っており、2008年の世界空手道選手権では53キロ以下級で優勝して、世界女王に君臨していたことも。

師匠は同じ東京支部所属、79期の「阿波勝哉選手」。
阿波選手と言えば、ボートレース界屈指のまくり屋として名を馳せており、弟子入りのきっかけは「プロペラを作ってもらったこと」だそうです。

後に師匠のことを『全速で良いスタートを行ってまくっていく。6コースであんなレースができたらいいなと思います。師匠から学んだのは攻め続ける度胸!』と語っており、今回の優勝決定戦でのレースはこの言葉を反映させたような展開でしたね。

男勝りの性格とボーイッシュな見た目が“カッコいい”と人気を集めており、コースごとにチルトを変えたり、自在な決まり手でどのコースからも1着を狙える実力者
今回の優勝でさらに注目を集める存在となることが予想されます。

2020年2月にはレース中に“全力で走る”という原則に反した走行がペナルティの対象となり即刻帰郷。
その後、褒賞懲戒審議会から12か月の出場停止処分が言い渡されて、長期欠場を余儀なくされましたが、その試練を乗り越えて、2022年後期には見事A1級へ返り咲きました。

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