ネコは「ギア比」っていう言葉を知っているか?
なにそれ?美味しいの?
また食べ物と勘違いしているな…。
何でもかんでも食べ物と思ってしまうネコは置いておいて…。皆さんは競輪のギアを意識したことはありますか?
競輪は自転車で走るスピードを争う競技ですので、当然ギアが搭載されています。投票サイトにも記載されている情報なのですが、あまり予想に役立てていない人が多いようです。そこで今回は、
- 競輪のギアってなに?
- 競輪のギアは予想に関係あるの?
- 競輪と他の自転車の違いは?
このような疑問を解決できる記事になっていますので、予想の精度を上げたい人はぜひ最後までご覧ください。
- 競輪歴8年の26歳
- 成人した瞬間に車券を購入するキチガイ
- 過去に突っ込んだ累計額5000万以上(笑)
競輪のギアとは?
そもそもギアってなんなのさ?
まずはギアがイマイチ分からない人のためにご紹介します。上の画像のやつです。
自転車に乗ったことがある人は100%見たことがあるでしょう。「あーこれね!」と思って頂ければ幸いです。
ギア比率(倍率)は何のこと?
ここからはギア比について紹介していくぞ。
ギア比率とは、「バイクのクランクが一回転するごとに、後輪が何回転しているのかを示す数字」です。
例えば競輪の出走表でギア比率が3.85と記載されていたとしましょう。その場合、選手がバイクのペダルを踏み、クランクを一回転させるごとに後輪が3.85回転しているということになります。
ギア比率によってペダルの重さも変わるため、選手の環境を変動させるのがギア比率と言えますね。レース結果にも影響してくるため、実際に競輪で予想する際は気を付けておくべき要因の1つです。
ギアの数値で何が変わる?
ギア比はわかったけど、それが違うとどうなるの?
ギア比率が高い場合
ギア比率は数値が高くなるごとにペダルが重くなります。ギア比率を上げるメリットとしては、バイクが加速するに比例して大きなスピードを出せるようになるということ。ゴールまでの逃げや、後半の伸びに期待ができるというわけです。
逆にデメリットとしては、スタート時の加速が遅く捲りの勝負が苦手になる一面が。ラストスパートにおいて、ギア比率が低い選手の機動力に負ける可能性も考えられます。選手の持続力やパワーある体格にも注目したいところですね。
メリット
加速していくと早いスピードが出る。
デメリット
加速するまでに時間や筋力が必要。
ギア比率が低い場合
ギア比率が低い場合のメリットを挙げると、スタート時はペダルが軽いため良い出だしを切ることができます。さらに、機動力があるため捲りが決まりやすい特徴です。
しかし、加速が進むにつれて後輪の回転数がスピードに追い付いて来れず、ギア比率が高い選手にスピードが劣ってしまいます。場合によっては、ゴールまで追い付けず逃げられてしまう。なんてことも考えられますね。いかにクランクを早く回せる選手かどうかがレースの肝と言えるでしょう。
メリット
仕掛ける際に好スタートを切れる。
デメリット
ギア比が重い選手に付いていけなくなる可能性が…。
ギアは予想に大きく影響する
ギア比率は選手の作戦の一部です。例えば、ペダルを早い回転率で踏むことができる選手はギア比率を低く設定しているでしょう。
過去レースから選手の特性や性能を確認し、ギア比率と比べてみると予想が当たる確率も高くなると思います。このことから、ギア比率は競輪を予想するうえで大切な判断材料と言っても過言ではありません。レースに影響してくる環境因子なので注目してみるべきです。
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競輪のギアには深い歴史がある
~2014年 | ギア比率規制なし |
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2014年~ | 男女ごとにギア比率規制 |
ここからはギア比率について、1970年代から現在に至るまでの歴史をみていきましょう。
まず1970年代から1980年代前半までギア比率に規制がなく、自由にギア比率を選ぶことが可能でした。ギア比率4.0以上のいわゆる高ギアに設定する選手はほとんどおらず、全盛期を過ぎた選手が奇襲で出走する程度。そのため当時のギア比率は3.57が主流でしたね。
ギア比率に規制がかけられた
時代は機動力とスピードのバランスが良い3.57時代。しかしそんな主流を無視して山崎芳仁選手がギア比率4.00で出走した結果、大会を総なめにしたという事例が起きてしまいました。大会の過去ベストタイムも大幅に塗り替え、多くの選手に影響を与えること出来事となります。
この出来事を境に、選手達は山崎選手のギア比率を真似して、大記録を残したレースから2014年終わりまで4.00設定の高ギアが主流に。しかし、高ギアでは多くの問題点が起こり、同年にギア比率は規制を受けることになりました。このルールは、現在の競輪のルールにも適用されています。
規制は競輪学校にも
大会でのギア比率が規制されてからは、競輪選手養成学校でも3.27に規制されるようになりました。ギア規制により、競輪学校の技能検定も合格率が落ちたとも言われています。当時はこの突然のルール変更に、苦労した選手も多くいたことでしょう。
ギア比率にはこのような一連の流れがあり、競輪のレースにおいて大きな影響を及ぼしていることが歴史からも伺えますね。
競輪のギアに規制をかけた理由
高ギアが主流となった過去があると上記で説明しましたが、現在はギアの規制がかけられており、当時流行した4.00以上での出走はできません。過去のベストタイムは大幅に更新され、競輪業界を更に盛り上げてくれる。と当時は皆考えたはずですが、なぜ規制を受けたのでしょう?
実は高ギアには問題点がいくつかあげられるのです。ここからは、高ギアの規制を受けた三つの理由を見ていきましょう。
①選手の体力を考慮
まず一つ目は、選手の体力を考慮したからです。
競輪は、「ラストスパートまでにいかに体力を温存し出し切れるか」がカギとなる競技。高ギアであるとスピードも出るが当然ギアも重くなるため、体力温存が難しくなります。3.57時代では行えていたレース展開も、高ギアが主流になってから行えなくなってくる。そのように検討した結果、ギア比率の規制が行われたのです。
体力切れで脱落する選手が現れる競輪など誰も見たくないでしょう。実際にその選手にお金をかけていたのならば、なおさらですよね…。
②落車する可能性を減らす
二つ目は、落車の可能性を減らすため。
競輪のバイクにはブレーキがないため、ペダルを逆回転させて減速するしか止まる方法がありません。高ギアによりスピードが速い戦いになってしまえば、当然落車時のバイクの制御は難しくなり、体へのダメージも大きくなってしまいます。
選手の安全面も考慮した結果がギア規制というわけです。選手は自身の体がいわば商売道具。大きなけがをしてしまえばブランクにも繋がるので、避けたいと誰しもが思っているはずです。
③選手の実力差を小さくする
三つ目は、選手の実力や特徴を考慮したから。
競輪選手も人間ですから、日々のトレーニングも異なれば脚質も異なります。高ギアが主流となった時代には、捲り得意な選手が不利になってしまう単調なレースが続いてしまいました。
特定の選手に対して不利な条件・特徴を潰すようなことを行ってしまえば、競技人口も減ってしまう可能性が。何よりラストスパートが盛り上がらなければ、競技自体に面白みも無くなってしまうでしょう。スタートから逃げが続き、順位が変わらない競輪など誰も望んでいないですよね…。
競輪のギア比率(倍率)に関するルール
ギア比率の内容や歴史を振り返ったところで、ここからは詳細なギア比率に関するルールの説明をしていこうと思います。
ギア比率規制から、現在の競輪におけるルールはどのようになっているのでしょうか。男女ごとの競輪におけるルールは以下の通りです。
男子競輪
男子のギア比率は4.00未満にすることが定められており、上限ギア比率は「3.93」となっています。そして、下限ギア比率は「2.75」。2014年までの男子は「4.58」が上限となっていたので、かなりの規制をうけたと言えますね。現在ではギア比率「3.92」が主流となっていますよ。
女子競輪
女子競輪では男子とルールが異なり、上限ギア比率は「3.79」。ルールが異なる理由については、男女の筋肉量の違いを考慮した結果でしょうね。
自転車のギアを比較してみた
ギア比のことはわかったけど、イマイチ違いがわからないなー。
ネコと同じように思っている人もいるはずなので、ここからは身近に私たちが利用している自転車のギアと比較していきましょう。
競輪選手の筋骨隆々な足で漕ぐピストバイクは、他の自転車と比較してどうなっているのでしょうか?
子供用の自転車
まず初めに、子供用自転車を見ていきましょう。当然ですが、子供用に作られているためギアの作りや車高は小さいものとなっています。値段のお手軽さ・けが防止のチェーンガードや泥除けがついていることがピストバイクとの違いです。
このようなことから、安全性を重視した自転車であると言えます。そして、ピストバイクとのスピードの違いは説明しなくても一目瞭然ですよね。当時買ってもらったワクワク感は、ピストバイク購入に匹敵するものではありますが(笑)
ママチャリ
続いては、私たちの日常生活で一般的に使用されるママチャリとの違いを見ていきます。
ママチャリとピストバイクとの違いは、カゴやブレーキの有無・泥除けなどが挙げられるでしょう。ギアは変速することが可能ですが、こちらもスピードはピストバイクと比較するとかなり劣ると言えます。
あくまでこちらも日常的な利用を考えて作られた自転車ですので、ギアの大きさより利便性重視。スーパーからの帰りに味わえる快適さでは、ママチャリの勝利で間違い無いです(笑)
ロードバイク
競技シーンでよく見られるロードバイクとの違いも見ておきましょう。
スピードは今まで比較した自転車と比べても、段違いに早い自転車です。ギアはロードバイクの場合変速が可能ですが、ピストバイクと比較してみても遜色無い大きさと言えます。
軽さを重視したボディは片手で軽々扱えるほど。タイヤやフレームの素材にもこだわりが見られますよね。シーンに分けてハンドルを持ち替えることで、三段階の走行が楽しめるのも特徴です。
BMX
比較対象の最後はBMX。こちらの自転車もパフォーマンスの競技でよく使われます。
車体は小柄で頑丈な造りをしており、町乗りにもおすすめです。前輪と後輪にペグがついているものがありますが、滑らせてパフォーマンスを楽しむものから掴んで楽しむものまで材質によって遊び方が異なるでしょう。
パフォーマンス重視で設計されている車体のため、小回りの利く小さなギアが特徴。速度を付けてパフォーマンスを行うことに危険性が伴うことも考慮された設計と言えます。ロマンとカッコよさが合わさっているので、個人的に好みな自転車です(笑)
競輪(ピストバイク)
最後にピストバイクの車体を見ていきましょう。こちらがピストバイクの車体です。タイヤとギアの大きさが目立つ重厚な車体は、屈強な競輪選手が多くいる事実を納得させてくれる作りです。
泥除けやライト・ブレーキ・カゴ等の一切を排除している車体はロマンあふれるものに。全種類の自転車とギアの大きさを比較してみても、一番に大きいかもしれません。眺めているだけでもワクワクさせてくれるカッコいい車体なので、一度は乗ってみたい代物ですね!
競輪のギアに関するみんなの意見
最後に、競輪のギアに関するみんなの意見を確認してみましょう。第三者の声は物事の指標になります。現在のルールに不満を漏らしている人や、改正を求めている声もあるかもしれません。
Twitterでのギアに関する情報を確認してみたところ、やはりギア規制について呟いている人がいました。予想にも影響を及ぼすなによりの証拠ですので、確認しておくべきことなのでしょうね。
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