2024年6月23日、BOAT RACE公式サイトを運営する“一般財団法人 BOAT RACE振興会”は公式サイト内で「移動中のボートレーサーに関するお願い」を発表しました。
この発表については、先んじて“公益社団法人 日本モーターボート選手会”が2024年5月17日に発表した「ボートレースファンの皆様へ」の影響を受けたものであり、ボートレーサーとファンの交流について『常識の範囲で節度ある言動を心掛けるように』との注意喚起を兼ねています。
ここでは、今回の「移動中のボートレーサーに関するお願い」と「ボートレースファンの皆様へ」の概要について解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
BOAT RACE振興会の公式発表
2024年6月23日、BOAT RACE公式サイトを運営する“一般財団法人 BOAT RACE振興会”は公式サイト内で「移動中のボートレーサーに関するお願い」を発表しました。
公式サイトに掲載された内容は以下のとおりです。
移動中のボートレーサーに関するお願い
引用元:BOAT RACE公式サイト
日頃よりボートレーサーへ温かいご声援をいただき、誠にありがとうございます。
昨今、一部の方による移動中のボートレーサーへの過度な要求や付きまとい行為など、問題となる行動が報告されております。
移動中のボートレーサーとファンの皆さまの接触につきましては、安全の確保また一般の方への迷惑となることから、ご遠慮させていただいております。
ボートレーサーには、イベント等で事前に許可された場所以外でのファンサービスは行わないよう指導しておりますので、あらかじめご了承ください。
ファンの皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
この公式発表に先んじて、2024年5月17日には公益社団法人 日本モーターボート選手会が「ボートレースファンの皆様へ」を発表しており、今回の掲載内容は日本モーターボート選手会の発表内容の影響を色濃く受けたものであると推測されます。
内容については、『ボートレーサーとファンの交流について常識の範囲で節度ある言動を心掛けるように』との注意喚起を兼ねており、移動中(=イベント等で事前に許可された場所以外)の選手に対する過度な要求や付きまとい行為などの問題となる行動に苦言を呈する内容です。
実際に注意喚起をされている内容は次の3点です。
- 移動中のボートレーサーとファンの接触
- イベント等で事前に許可された場所以外での接触
- 過度な要求や付きまとい行為などの問題となる行動
一部のファンとの前置きがされていますが、遠回しに全てのファンに対して“節度ある言動”を求めていることがわかります。
モラハラ(モラルハラスメント)やカスハラ(カスタマーハラスメント)が問題視されている昨今。
アイドルや芸能人と同じように、美人レーサーやイケメンレーサーの台頭によって、人気選手が増加している現状を鑑みても、ファンのモラルの向上は重要な課題であり、ボートレースを楽しむうえで不可欠な要素となっていくことでしょう。
日本モーターボート選手会の公式発表
今回のBOAT RACE振興会の「移動中のボートレーサーに関するお願い」の公式発表からさかのぼること1か月前。
2024年5月17日に公益社団法人 日本モーターボート選手会は「ボートレースファンの皆様へ」を公式発表しています。
公式サイトに掲載された内容は以下のとおりです。
ボートレースファンの皆様へ
いつもボートレースならびにボートレーサーに温かいご声援をいただき、誠にありがとうございます。
皆様にお願いがございます。
ボートレースはファンの皆様あってのものであり、皆様とボートレーサーとの交流は、ファンサービスの一環として大切なものであると、本会も認識しております。
新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っていたこの数年間、感染症予防のため、ファンの皆様とボートレーサーが触れあう機会が著しく減り、皆様には大変残念な想いをさせておりました。
そして、コロナ禍が収束しかつての日常を取り戻しつつある今となっても、感染症予防以外に不正防止の観点からも、以前のような交流の場を設けることができておりません。
誠に申し訳ございません。
しかしながら、一部のファンの方の逸脱した行動が、ボートレーサーだけでなく一般の方々のご迷惑となっているとの報告も、多数受けております。
レース場最寄り駅を含む交通機関や、ボートレーサーが前泊・後泊する際の宿泊施設、そのほか関連施設など、公共の場での入り待ち・出待ちや付きまとい行為は、ボートレース業界の正式なファンサービス・イベントではなく、一般の方へのご迷惑になるとともに、予期せぬトラブル等に繋がる危険性がありますので、固くお断りいたします。
場合によっては法的措置も検討させていただきますので、ご了承ください。
また、レースへの意識を高めているとき、満足なレースが出来なかったとき、完全にプライベートなときなどは、皆様に対し笑顔で対応できないことから、ボートレーサーの方でサービスをお断りさせていただくことがございます。
そうした場合に、ボートレーサー本人や関係者などに暴言を吐かれたり、強引な行為をされたりする方も見受けられますが、ボートレーサーも人間であり、その本懐は「万全の状態でレースを行うこと」であることを、何卒ご理解いただきたいと思います。
これから再び、ボートレーサーとファンがともに心地よく触れあう機会を設けるために、まずは今一度、皆様におかれましては、常識の範囲内で、節度を持った言動を心掛けていただきますよう、お願い申し上げます。
2024年5月17日公益社団法人日本モーターボート選手会
引用元:日本モーターボート競走会公式サイト
こちらの内容については、文章の前半で『ボートレーサーとファンの交流の重要性を説きつつ、コロナ禍以前のように交流の場を設けられていないことへの謝罪』を述べたうえで、『正式なファンサービス・イベント以外で一部のファンの逸脱した行動が原因で、一般人に迷惑をかけたり、トラブルに繋がる危険性があるので禁止するとともに、あらためてもらえない時には法的措置も検討するので、絶対にやめてくださいね』という牽制する姿勢が見て取れる内容となっています。
そして強い表現をした理由として『思うようなファンサービスを受けられないがゆえに暴言を吐いたり、強引な行為をするファンがいるが、ボートレーサーも関係者も人間だからこそ“いつも笑顔では対応できない”ことを理解して、正式な場所と状況で常識の範囲内で、節度を持った交流を心掛けてほしい。そうしないと「万全の状態」でレースを行えないことになるよ!』というなかなか強めの注意喚起と苦情です。
実際に注意喚起をされている内容は次の3点です。
- ボートレース業界の正式なファンサービス・イベントではない場所でのボートレーサーへの接触
- 公共の場(レース場最寄り駅を含む交通機関や、ボートレーサーが前泊・後泊する際の宿泊施設、そのほか関連施設など)での入り待ち・出待ちや付きまとい行為
- 一般の方へのご迷惑・予期せぬトラブル等に繋がる行為
- ボートレーサー本人や関係者などへの暴言・強引な行為
要するに、『一部のファンの中には常識外で節度のない言動をする人がいるので、即刻あらためなさい!さもないと“法的措置”という切り札もいとわないですよ!』というお怒りが伝わる文章となっています。
「選手とファン、そして一般の方のことを考えています」という柔らかめな言い回しをしつつも、サラッとキツめに、かなり強く釘を刺す内容でした。
ボートレースの売り上げ増加に反比例する不祥事の数々
今回は、BOAT RACE振興会と日本モーターボート選手会から発表された「一部のファンに対する注意喚起」についてご紹介しましたが、ボートレース界を取り巻く環境は決して穏やかなものではありません。
度重なる選手や関係職員の不祥事により、日本モーターボート選手会の運営体制を疑問視する声も出ている始末です。
2020年1月には、元トップボートレーサーによる八百長事件への関与が明るみになり、逮捕・実刑判決を下されるという“競艇界最大の汚点”とも言うべき事案が発生しています。
そんな逆境の中にあっても、選手一人ひとりの社会貢献やファンサービス、競艇場やチケットショップのスタッフ方の努力と工夫、そして競艇を愛するファンやYouTuberの尽力によって、今日のボートレース人気は支えられています。
詳しくはこちらでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
ボートレース界だけに留まらず、最近ではモラハラ(モラルハラスメント)やカスハラ(カスタマーハラスメント)が大きな問題となっています。
ボートレースという競技上、『いくら強い選手でも、どれだけ好条件でも、“勝てないことが大にしてある”』ことをしっかりと心に留めていかなくてはなりません。
それでも自分が推した選手が活躍したり、予想した舟券が的中する楽しみがあるからこそ、ボートレースという競技を楽しめるのですし、人気を博している理由の真髄はそこにあると感じます。
ボートレーサーとファンがこころよい関係を構築できることが一番の理想ですが、ここは一度『人の振り見て我が振り直せ』の精神に立ち返ることが重要でしょう。
放映されているテレビCMのように好感度が高く、それでいてスタイリッシュでかっこいいボートレースへ。
さらなるモラルの向上により、紳士的な公営ギャンブルを目指すことで、ボートレースがますますの人気と支持を得ることに期待したいですね。
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